管理人のパソコン教室

4.LAN入門 <LAN構築例1へ→>
(1)LAN(ラン)とは?

・ 「LAN」とはLocal Area Network(ローカルエリアネットワーク)の略で、読んで字の如く狭い範囲(ローカルエリア)での(コンピュータ)通信網(ネットワーク)を意味します。通常、会社内や家庭内などの比較的狭いエリアの中で構成される通信網です。限られたエリア内で構築されていればコンピュータが何百台繋がれていてもLANなのですが、今回は数台のパソコンが繋がっている小規模なLANについて解説します。

・ LANと対を成す通信網に「WAN」(ワン)があります。WANはWide Area Networkの略で、広域コンピュータ通信網を意味します。専用回線を使い、本店と遠隔地の支店などを結ぶものがWANです。金融機関のATMなどはWANで繋がっています。もう一つ、WANと同じく広域のネットワークをLANの技術とインターネットを組み合わせて実現するものがあり、これを「広域LAN」と言います。WANと広域LANは技術的には違うものですが、もたらす結果はほぼ似た様なものになります。

・ LANでできることは@ファイルの共有Aプリンタ等周辺機器の共有Bインターネット接続の共有の3つです。ではもう少し具体的に説明しましょう。なお説明を簡単にするため、LANを構築しているパソコン(以下、PC)は2台、プリンタ等の周辺機器は1台のみ、そして、インターネットにも1台だけが繋がっているものとし、また、PCのOSはWindowsシリーズ(98シリーズおよびXPなど)とします。
@ ファイルの共有:相手のPC内のデータファイルをあたかも自分のPC内のデータであるかの如く扱うことができること。コピー、切り取り、貼り付け、削除などが自由に行えます。他のメディア(フロッピーディスクなど)なしにデータのやり取りができ、データのバックアップなども簡単にできるメリットがあります。なお、ネットワーク対応のアプリケーションソフトの場合、自分のPCにそのアプリケーションソフトがなくても相手のPCから立ち上げて使うことができます。

A 周辺機器の共有:プリンタ等の周辺機器を全てのPCで利用できること。PCを1台買い足してもLANを組めばプリンタは買い足さなくて済むと言うことです。また、複数のプリンタを複数のPCでそれぞれ使い分けることもできます。例えばインクジェットプリンタとページプリンタを持っている場合、それぞれのPCがどちらのプリンタでも使うことができるということです。

B インターネットの共有:どれか1台のPCがインターネットに接続できる環境ならば、他のPCもインターネットを利用できると言うことです。この場合、1台のPCがインターネットに繋がっている間、他のPCはインターネットを利用できない場合と、複数台のPCが同時にインターネットを利用できる場合とがあります。この違いは別に解説します。


(2)LANを構築するために必要な機器類
・ LANを構築するために絶対必要な最低限の機器は「LANポート」と「LANケーブル」です。「LANポート」とは正確にはLANポートの付いた「ネットワーク インターフェース カード(NIC)」を意味します。ただ、最近のPCは多くがLANポートを実装していますので、LANポートのないPCのみLANボード(デスクトップ型)やLANカード(ノートPC)などのNICを購入する必要があります。

・ LANを構築する際、NICの通信速度をチェックし、以下に説明する全ての機器がこの通信速度をサポートしているか否かをチェックして下さい。NICを実装しているPCはマニュアルのスペック表に通信速度が明記してあります。通信速度の違う機器類でLANを構築した場合、一番遅い機器の速度しか出ません。注意が必要です。

・ NICは通信速度により幾つかの規格があります。代表的なものを挙げると「10BASE-T(テンベース てぃー)」、「100BASE-TX(ひゃくベース ティーエックス)」「1000BASE-T(せんベース ティー)」などが挙げられます。それぞれ頭の数字が通信速度で、数字が大きいほど通信速度が速くなります。因みに、10BASE-Tの「10」は10Mbps(メガビットパーセコンド)の意味で、1秒間に1000万bit(約1.2Mbyte=ほぼフロッピーディスク1枚分)のデータをやり取りできます。100ベース、1000ベースはそれぞれこの10倍、100倍の通信速度です。現在もっとも数多い機器があり、値段もそこそここなれているのが100ベースもしくは10ベース/100ベース共用の機器類です。値段的には10ベースのNICが一番安い(¥1000以下)ですが、通信速度の点からも最低100ベースの機器をお勧めします。なお、高速ブロードバンドでインターネット接続をする方には、今後のことを考えると、1000ベースの機器をお勧めします。

・ 現在のLANは「Ethernet(イーサネット)」という規格で構築します。LANケーブルもこの規格のものを購入します。イーサネットのLANケーブルは電話のモジュラージャックを一回り大きくしたようなRJ-45規格のジャックがついたケーブルで、ストレートケーブルとクロスケーブルの2種類があります。通常使うケーブルはストレートの方で、小さな家電店などではストレートケーブルしか置いていない事がよくあります。クロスケーブルは特殊な場合しか使いません。10BASE/100BASEのLANケーブルは「カテゴリー5」という規格です。また1000BASEは「カテゴリー5E」という規格ですが、両者とも外形は同じですので、予算があれば将来のLAN高速化に備えて後者のケーブルを購入しておく手もあります。なお、10BASE-TでLANを組む場合、ケーブルの長さは100m以下と決められていますので、ケーブルが長くなる場合は注意が必要です。

・ 他に購入する機器類は「ハブ」「ルーター」「プリントサーバ」などがありますが、LANの構築方法によって必要な機器が違います。また、必要ない場合もあります。
@ ハブ(HUB):ネットワーク内を流れるデータの中継器。イーサネット規格のLANを構築する際に不可欠な機器で、複数台の機器を繋ぐ為に使用。リピーターハブとスイッチングハブの2種類があります。リピーターハブはネットワーク内のデータをただ中継するだけの役目に対し、スイッチングハブはデータの行き先ごとにデータの流れを選択(スイッチング)するため、後者の方が通信速度が速くなります。ハブはこの両者の違いに加え、ハブそのものがサポートしている通信速度や何台の機器類を繋ぐか(ポート数)によって選択します。例えば、10BESE-Tで2台のPCを繋ぐ場合、10BESE-T対応でポート数4個程度のハブを選びます。この程度のLANですとリピーターハブで充分です。ハブのポート数が不足した場合は、ハブとハブとをLANケーブルで繋ぎ(カスケード接続)、ポート数を増やすことができます。なお、10BASE-TのLANではカスケード接続できるハブは4台までです。

A ルーター(Rooter):インターネットを複数のPCで同時に利用するための機器。インターネットの接続回線によってダイヤルアップルーターとブロードバンドルーターとを使い分けます。通常の電話回線及びISDN回線の場合は前者を、CATV、ADSL、FTTH(光ファイバー通信)など場合は後者を選択します。ルーターの多くはハブを兼ねており、4個くらいのLANポートを持っていますので小規模なLANの場合、別にハブを用意する必要はありません。また、TA又はモデム(通常のモデムやADSLモデムなど)の機能にルーターとハブの機能を兼ね備えたオールインワンタイプの機器もあります。ご自分のインターネット接続状況によって必要な機器を選択します。なお、ルーターを購入する際にはルーター内部の伝達速度(スループット)を確認し、LANより遅くならないよう気をつける必要があります。

B プリントサーバ:ネットワーク非対応のプリンタをネットワーク(対応)プリンタとして使用するための機器。   ネットワークプリンタはプリンタをハブに繋げばそれで全てのPCから利用できます。実はネットワーク非対応プリンタでも「プリンタの共有」機能を使えば全てのPCから利用できるのですが、この場合、常にプリンタと直接繋がっているPCの電源を入れておかなければならないのです。この状況を解決するためにはプリントサーバが必要となります。


(3)プロトコル
・ 今までは実態のある機器類の話でしたが、こんどは通信をするためのプログラムの話です。PC相互、PCと周辺機器とで通信をする場合、その通信の手順を同一にしておかないと通信することができません。電話で話をする時、こちらが日本語で相手が英語では電話が繋がっていても意思の疎通ができません。これと似たような事で、PC同士で通信するためには共通の言語(通信手順)が必要となります。この通信手順のことを「プロトコル」と言います。

・ Windowsは「Microsoftネットワーク」というLAN通信用ソフトの中で「TCP/IP(ティーシーピー/アイピー)」というプロトコルを使っています。他に「NetBUEI(ネットビューイ)」というプロトコルも使えますが、インターネットの通信にTCP/IPが使われており、またApple社のMacintosh(以下、Mac)でもTCP/IPを使えるため、通常プロトコルにはTCP/IPを使います。

・Macは「AppleShare」というLAN通信用ソフトの中で「AppleTalk」というプロトコルを使っています。Mac相互の通信にはこのAppleTalkが使われます。ただしMacOS9以降はTCP/IPも使えるようになりました。WindowsマシンとMacの混在するLANを組んだ場合、双方がTCP/IPを使っていればインターネットの共有はできますが、通常ファイルの共有とプリンタの共有ができません。ただし、Win・Mac共通の通信ソフト「FTP(ファイル トランスファー プロトコル)」を使い、FTPの中でTCP/IPをプロトコルとして使えばファイルを共有することができます。Windows上でのLANは「Peer to Peer(ピア トゥ ピア)」というネットワーク形式でサーバとクライアントの別がなく、双方向にファイルの共有ができます。一方、FTPによるネットワーク形式はサーバ・クライアント型なので、ファイルを共有する場合「FTPd」というソフトがサーバ側に立ち上がっていないとなりません。このようにWin&Mac混在のLANは少々制約があり、説明も長くなるので今回の解説からは省きます。