
| 2)パソコンの中身と略語 |
| パソコンを苦手とする人には「アルファベットの略語の意味がチンプンカンプンで訳が分からない」といった方も多いでしょう。確かにCPU、RAM、ROM、OS、HD、FD、MO、CD−ROM、DVD、FEP・・・枚挙に暇がありませんね。ただ、何の略なのか、もしくは日本語ではなんと言うのかが分かればそれほど難しいものではありませんし、パソコンを理解して行く上で避けて通れないものでもあります。本書でもなるべく解説を加えていきますので頑張ってみてください。また「パソコン用語辞典」のようなものを一冊手に入れるのも良いかも知れません。毛嫌いせずに取り組んでみてくださいね。(「コラム(4)」参照・・・工事中) パソコンはどのような機器で構成されているでしょうか。ちょっと思い浮かべてみてください。パソコン本体、キーボード、マウス、ディスプレイ、プリンタ、スピーカなどが基本的な構成でしょうか。あとはその人の使用目的などによってアプレット、デジタイザ、スキャナ、プロッタ、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、外付けのMO(光磁気ディスク)ドライブやHDD(ハードディスクドライブ)などいろいろな機器がパソコン本体に繋がっているでしょう。まずはこの辺りを整理してみましょう。 パソコン本体は後回しにして、キーボード、マウス、アプレット、デジタイザ、スキャナなどはパソコンに情報を入力するための装置です。ディスプレイ、プリンタ、プロッタ、スピーカなどはパソコンの処理結果を何らかの形で提示するための装置です。モデム、TA(ターミナルアダプタ)、ADSLモデムなどはパソコンが電話回線や専用回線経由でインターネットなどの通信をするための装置です。MO(光磁気ディスク)ドライブやHDD(ハードディスクドライブ)、FDD(フロッピーディスクドライブ)、CD−R/Wドライブなどは、パソコンのための何らかの情報を記録したりその記録をパソコンに読み込むための装置です。CD−ROMドライブやDVD−ROMドライブはパソコンのための情報をパソコンに読み込むための装置です。これらの詳細は「コラム(1)」をお読みください。 ではやっと本題です。パソコン本体の中身を見てみましょう。パソコンの中身は意外とシンプルです。メモリの増設などでパソコンを開けたことのある方もいらっしゃるかと思いますが、特にタワー型のパソコンなどは比較的中に空間があるのでスカスカな感じではなかったでしょうか?では順を追ってみていきましょう。まずは電源ユニット。これがなければパソコンは動きません。次にマザーボード。マザーボードにはパソコンの心臓ともいえるCPU(セントラルプロセッシングユニット・・・中央演算処理装置)をはじめ、メインメモリ、キャッシュメモリなど、パソコンが処理、計算を行う上で必要なもののほとんどが乗っています。それから、FDD、CD-ROMドライブ、HDDなど記憶装置並びにデータ入出力装置が収められています。基本的にはこれだけのものでパソコンは問題なく機能します。最近のパソコンはインターネットの利用が前提となっているものが多いのでモデムボードが乗っていたりもします。また、ビデオなどの画像編集を売り物にしているパソコンにはビデオボードが、会社の中でネットワークを組んで使うようなパソコンにはLANボードが乗っていたりします。これらの機器類が、幅の広いコードや細いコードで繋がっていたり、ボード類がコネクタに挿入されていたりする訳です。 では、パソコンの中ではどのようなことが行われているのでしょうか。パソコンをジャムの製造工場にたとえて見てみましょう。 ハードディスクは大きな材料倉庫です。ジャムの原料となる様々な果物や砂糖などの調味料類、瓶詰め用の瓶やそのフタ、貼付用のラベルなどジャム作りに必要な材料や道具類が大量にストックされています。今日はりんごとイチゴとぶどうのジャムを作ることになりました。工場には今日の作業に必要な原料などを揃い集めるための集荷場があります。これがメインメモリです。ここへ今日の作業に必要な分だけの果物などの材料が一旦集められます。今日はりんごジャムから作ります。加工工場の入り口の目の前にちょっとした広場があってここにりんごや調味料類、瓶、フタ、りんごジャム用のラベルなどが順序良く並べて運び込まれます。このちょっとした広場ががキャッシュメモリです。ここには加工工場内で必要な原材料を滞りなく運び込めるよう、それらがきちんと整理されて並べられます。ただ、それほど広いスペースではないので、例えばりんごが足りなくなりそうになったら即座にメインメモリからりんごが運び込まれます。いわば加工工場内で手が空かないよう段取り良く工場を動かすための整理場のようなものです。最近のパソコンは処理能力が大変に高くなっていますので小さなキャッシュメモリだけでは準備が足りず、キャッシュメモリとメインメモリの間にもう少し広いもうひとつのキャッシュメモリを備えています。これを「2次キャッシュ」などと呼んでいます。これに対して工場前の小さなキャッシュメモリを「1次キャッシュ」と呼びます。 これでジャム作りの準備はOKです。あとは必要な原材料類を工場内に運び込み、ジャムを作るだけです。この加工工場をCPU(セントラルプロセッシングユニット=中央演算処理装置)といい、パソコンの心臓部に当たります。全ての加工、製造作業はこのCPU内で行われます。工場を稼動させるために1次キャッシュ(材料整理場)からCPU(加工工場)へ原材料類を運び込むためのフォークリフトが動いていて、キャッシュメモリとCPUとの間をせっせと往復しています。 最近のパソコン用のCPUは一度に32個(32ビット)の原材料類をベルトコンベアに乗せ、一まとめに加工出来るものが主流です。このようにCPUが一回に処理できるデータ量が32ビットのものを「32ビットCPU」と言います。パソコンにはこのCPUを2つ装備して(デュアルCPU)処理速度を上げているものもあります。また、ゲーム専用機などは倍の処理速度の「64ビットCPU」が一般的になってきています。 32ビットCPUの場合、同じ種類のCPUなら処理速度自体はみんな同じですが、CPUの種類が違うと作業内容によって処理速度に差が出ます。例えば、あるCPUはりんごジャムはイチゴジャムより効率よく作れるが、別のCPUではその逆の作業効率であるなど、CPUの構造の違いによって得意、不得意の処理分野があり、処理速度に違いが生じるのです。 しかし現実には同じ種類のCPUでも処理速度に違いがあります。これは原材料運搬用のフォークリフトの動く速度に差があるからです。この原材料類(データ)をCPUに運び込む速度を「クロック周波数」といい、一般的にクロック周波数の数字が大きいほど処理速度の速いCPUになります。例えば、一定時間内にフォークリフトが5往復する工場と10往復する工場とでは作業時間に倍の差が生じます。実際にはクロック周波数の差だけで処理速度が決まるわけではないので、必ずしも512MHzのCPUが1GHzのCPUの倍の処理時間がかかるわけではありません。ただやはり1GHzのCPUの方が処理速度が早いことは確かです。 人は一所懸命てきぱき仕事をしていると体温が上がってきますが、CPUも同じです。クロック周波数が大きくなるほどCPUの発熱量も多くなります。半導体を使った電子部品は総じて熱に弱く、かつ高速で動作するほど発熱量も増えるので、CPUには冷却用のフィン(羽根)やファン(扇風機)がくっついています。また、パソコンの外回りをよく観察すると何箇所かに小さな穴が沢山あいている部分があります。これはCPUの熱やその他の内蔵機器の熱を外に逃がし、パソコン内の温度が上がり過ぎないように開けられている穴なのです。なかなか充分な空間が確保できないせいなのか、パソコン本体が他のものに密着するように配置されているのをよく目にします。これでは充分な放熱ができず、パソコンが壊れる原因となって寿命を短くしてしまいます。パソコンの周辺には放熱のために多少のスペースを設ける必要があります。 |